■ 鳥(bird)

鳥類でさえずり(囀)を行う種の大半は、スズメ目の鳥である。 スズメ目の中でも鳴禽類(めいきんるい)のグループに集中している。 鳴禽類のさえずりは、他の鳥類グループの鳴き声よりも複雑なものが多い。 また、他の鳥類グループ、例えばカッコウなどは親鳥と離れて成長しても、 その種の鳴き声を発することができるのに対して、 鳴禽類の鳥では親鳥と切り離されて育てられるとうまくさえずりができない鳥が多い。 鳴禽類は親鳥から教わっていると考えられる。

現存(英語版)する鳥類は約1万種であり(これまでの各分類に基づき、 8,600種や、9,000種などとしているものもある)、 四肢動物のなかでは最も種類の豊富な綱(分類目)となっている。 現存している鳥類の大きさはマメハチドリの5cmからダチョウの2.75mにおよび、 体重はマメハチドリが2g、ダチョウは100kgである。

化石記録によれば、鳥類は1億5,000万年から2億年前ごろのジュラ紀の間に、 獣脚類恐竜から進化したことが示されている。 そして最も初期の鳥類として知られているのが、 中生代ジュラ紀後期の始祖鳥 (Archaeopteryx) で、およそ1億5,000万年前である。 現在では大部分の古生物学者が、鳥類を約6,550万年前のK-T境界絶滅イベントを生き延びた、 恐竜の唯一の系統群であると見なしている。

現生鳥類の特徴は、羽毛があり、歯のないくちばしを持つこと、 硬い殻を持つ卵を産むこと、高い代謝率、二心房二心室の心臓、 そして軽量ながら強靭な骨格を持つことである。 翼は前肢が進化したもので、ほとんどの鳥がこの翼を用いて飛ぶことができるが、 平胸類(走鳥類)や、ペンギン類、 いくつかの島嶼に適応した固有種などでは翼が退化して飛べなくなっている。

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